SPECIALITY一覧

SP000034

1996年5月13日、ロンドン・ウィグモア・ホールでの演奏会プログラムを額装したものです。亡くなるおよそ半年前の演奏で、おそらく最後の演奏会となったものです。贔屓目とはいえ、晩年の姿を捉えた写真には心打たれるものがあります。フレームのサイズは大衣サイズとして、少し余白を多めに取っています。裏面はプログラム保護の観点から青紙で封をしてあります。画面上の白い点は照明の写り込みです、ご了承下さい。

¥ 15,000

SP000045

17世紀に描かれたブルガリアに現存するイコンの名作を手描きによって複製したものです。特定はできませんでしたが、おそらくネセバルの聖ステファン教会内のイコンの複製と思われます。板の傷みなども再現しています。裏面に証明シールが貼られており、作者はMonika Aserova(120✕160mm)

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SP000033

フルトヴェングラーのサイン入りの大判写真(額装済み)です。

比較的大きい署名と献辞、その下には1930年3月19日と日付が書き込まれています。献辞は達筆故に読めませんでした。写真は、当時音楽家の写真を多く残したウィーンFayer社製で、比較的有名なフルトヴェングラー若き日の写真です。

サイズは180×238mmと大きな版で、当時のことですから版(フィルム)から直接密着プリントしてあるものと推測されます。コンディションは、上部の中央付近に水濡れのようなもので傷んだような跡があり、四隅には鋲で留めた跡の穴が開いています。上部の傷みは残念ですが、鋲の跡などは署名を受け取った人が大事に飾っていたことが偲ばれ、これはこれで味わいがあると思っています。角などにもわずかな折れ跡などがありますが、その他に目立った傷みはほとんどありません。

いずれにしましても、これだけ大判かつ有名な写真に署名が入っているものは、相当に貴重なものと思われます。額縁は半切りサイズ、美術館とも取り引きのある工房に額の選定から依頼し、裏は青紙で封をしてあります。

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SP000047

17世紀に描かれたブルガリアに現存するイコンの名作を手描きによって複製したものです。おそらくは、壁画で有名なヴェリコ・タルノヴォの聖ペテロ・パウロ教会内のものの複製ではないかと思います。裏面に証明シールが貼られており、作者はSava Steffanov(210✕295mm)

¥ 40,000

SP000042

Fonofilm A-25D、Ortofon赤エンブレムです。「FONOFILM」カバーでシリアルナンバーもかなり若い番号となりますが、4ピン出力仕様となっており、シェルそのものも後期型となっています。純正、非純正は分かりませんが、おそらく1度はメンテナンスによってケース交換がなされているものと推察されます。古いシリアルナンバーのもの特有の押し出しが強く、良くも悪くもアクの強い音ですが、大変魅力的に感じられます。シェル交換ということで価格は若干安くなっていますが、初期のOrtofonの音が聴けるという意味では貴重です。針先は使用僅少、ダンパー交換済です。

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SP000058

ジャック・ジャンセン(Jacques Jansen, 1913–2002)はバリトン・マルタンとして、同年代に活躍したカミーユ・モラーヌと並び称される名歌手です。バリトン・マルタンは、やや軽めの声でバリトンの声域よりも高い部分まで歌いこなすことのできる歌手のことで、18世紀に活躍したマルタンというバリトンが始祖とされていますが、実際にバリトン・マルタンというものが認知されるようになったのは、ドビュッシーの《ペレアスとメリザンド》以降ではないでしょうか。ジャンセンとモラーヌの2人もペレアスを当たり役としており、いくつかの録音を残している他、アンゲルブレシュトの指揮で1日違いのダブルキャストで出演したものを聴くこともできます。ジャンセンとモラーヌは同世代でレパートリーも重なっていたことから、現役の頃からなにかにつけて比較されていたようです。ジャンセンはモラーヌに比べると、いく分直線的であえて細やかな表現を覆い隠すような歌い方をしますが、それがまたジャンセンを特徴づける魅力ともなっています。しかし、モラーヌとジャンセンを俎上に載せるなどというのは野暮というものでしょう。ただ一つ、見てくれという意味においてはジャンセンは長身の美男子であったため、舞台などでは一際映えるものがあったそうです。102×148mm 光沢厚紙印画紙プリント。もともとはパリのスタジオ・アルクールで撮影したものですが、若干プリントが荒い感じもあり、おそらくGreffという会社で複写プリントしたのではないかと思います。写真下にはなかなかの達筆で献辞と署名が入っています。

¥ 30,000

SP000041

Shureなどと共にアメリカMMカートリッジの雄として知られるEmpireの初期のステレオカートリッジです。黒ボディの替え針に交換されていますが、こちらも純正であったと記憶しています(黒、アイボリー共に非純正品も数多くありますが、カンチレバー形状でおおよそは類推できます)。当然ですが、MCトランス等を使用することなく、直接フォノイコライザーへ入力可能です。針はほぼ未使用です。

SOLD

SP000039

Ortofon type ABのご紹介でも少し触れましたが、本品は、Ortofonの33回転LPと78回転SP兼用のカートリッジADと、そのAD専用アームのA-212のセットとなります。

SPからLPへの移行期、オーディオメーカーはLP、SPどちらも再生できるようなシステムの開発が必要とされ、様々な「兼用型」カートリッジが開発されました。原始的なものでは、小ねじでカンチレバーごと交換できるものや、カンチレバー差し替え型などがありましたが、もう少し便利なところで有名なものが、GEバリレラ針のターンオーバー型やTannoyのカートリッジごと裏返してしまう変形ターンオーバー型などです(考えてみれば随分乱暴な方法ですが)。GEの方式は、バリレラ型だからこそできたアイディアものだと思います。

さてそれではMCの雄Ortofonはどのようにしたか。これがなんとも驚きの方法でSP、LP兼用針を実現してしまいました。Ortofonは、カートリッジには何の手を加えることなく、カンチレバーの先をY形とし、その2又の先端にそれぞれSP針とLP針を取り付けたのです。そして、専用アームを開発し、カートリッジをそれぞれ左右に少し傾けることによって、SPとLPの切り替えが出来るようにしたのです。この方法の優れている点は、カートリッジ本体に手を加える必要がないため、MC型のカートリッジでも容易に導入可能なことと、その結果として音質が高品位のまま保てることでしょう(厳密に言えば、針先が少しオフセットされ、傾いたカートリッジの影響はあるのでしょうが、当時のLPの規格と振動系の実効質量を考えれば無視できるレベルであったと考えられます)

トーンアームはカートリッジを振るため、ガイドピン用に左右の溝が切られている専用設計ですが、通常のAタイプやCタイプも取り付けられるように縦の溝も切られています。とはいえ、トーンアームのデザインから、ABやCBのアイボリータイプを取り付けるのが、最もしっくりとくるように思います。

まるでオモチャのようなトーンアームですが、中にはゼンマイ式のバネが入っており、ダイナミックバランス型となっています。針圧は、LPとSP(N)の2種類の切り替えしかありませんが、中間で止めることも可能で、ADを着けた状態でおおむね5gから12gの間で調整できます。トーンアームによって音が驚くほど変わるのは周知の事ですが、こんなアーム(と言っては失礼ですが)からよくぞこんな音が出るものか、と驚いてしまいます。材質の吟味はもちろん、ゼンマイバネによる針圧の印加に秘密がありそうです。

カートリッジは針先の確認とダンパー交換済です。おなじみMelodiya盤のLPや久々に入荷したイグナチウスのシベリウスのSPなどで試聴しましたが、まさにオールドOrtofonそのものの音です。アームは、ところどころに余り目立たない細かな欠損や首振り部の補修などありますが、機能には影響ありません。専用アームレストも付いており、Thorens TD-124用ボードに取り付けてあります。アームケーブルは付属しませんが、別売で制作可能です。コネクターが必要な場合などについてもご相談下さい。

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