オーディオ一覧

SP000082

B&O(Bang & Olufsen)は、オーディオにデザインという概念を確立したデンマークのオーディオメーカーで現在でも数々のデザインオーディオを意欲的に販売しています。そのためか、B&O初のカートリッジであった「SP1」にも優れたデザイン性を見出すことができます。

「SP1」は、B&Oのレコードプレーヤー「Beogram」の専用アームに取り付けるための専用カートリッジ「SP2」に、一般的なシェルにも取り付けられるようにブラケットなどを設けたモデルです。また「SP1 Stereodyne II」はアメリカ輸出向けに販売されたもので、ボディ下部に「SP1」のような平らな部分が無いのが特徴となっています。

発電方式は変形MI型ですが、B&OはMMC型(Moving Micro Cross)と名乗っていました。

当カートリッジは中古となりますが、ボディに大きなキズやサビなどは見受けられません。また針先は、Electro-Voice製の新品リプレース針が取り付けてありますが、Electro-Voiceのスタイラスは、「Stereodyne II」に標準装備されていた純正品となります。

New
SOLD

SP000041

Shureなどと共にアメリカMMカートリッジの雄として知られるEmpireの初期のステレオカートリッジです。黒ボディの替え針に交換されていますが、こちらも純正であったと記憶しています(黒、アイボリー共に非純正品も数多くありますが、カンチレバー形状でおおよそは類推できます)。当然ですが、MCトランス等を使用することなく、直接フォノイコライザーへ入力可能です。針はほぼ未使用です。

SOLD

SP000088

初期盤を再生するときに、避けて通ることの出来ない問題の一つがイコライザーカーブです。

現在市販されているプリアンプやフォノイコライザーアンプのイコライザーカーブ(Phono入力の特性)は、ほぼ全てにおいてRIAAカーブが採用されています。その理由はごく単純で、現在入手可能なレコードのほとんど全てがRIAAカーブ特性で制作されているからです。しかし、これらのRIAAカーブが搭載されたアンプで、いわゆる初期盤を再生してみますと、高域が強調された音であったり、低音がもたついて聴こえたり、ということが往々にして起こります。

そもそも、「RIAAカーブ」と呼ばれるイコライザー特性は1952年にRCAが「NEW ORTHOPHONICカーブ」として発表し、1953年にはRIAA(Record Industry Association of America)がその特性を追認する形で標準化したものです。つまり、少なくとも1953年以前のレコードは(実際には50年代末頃までは)、各社さまざまなイコライザーカーブを使用してレコードを製作していたということになります。

RIAA以前の主なイコライザーカーブには、コロンビアカーブ、NABカーブ、AESカーブ、デッカffrrカーブ、RCAカーブ、British-LPカーブなどがあります。これらは、コロンビアカーブとNABカーブがかなり近い特性であることを除けば、それぞれに異った特性を有しており、実際それらのカーブグラフを眺めてみても誤差として看過できるような差ではないように思います。

とはいえ、これらの初期盤をRIAAカーブで再生しても大きな音の破綻が起きるわけではありませんし、トーンコントロールを使えば相応に元のイコライザーカーブへ近づけることも可能です。それにも関わらず、イコライザーカーブを合わせて(実際には、採用しているカーブを明記しているレコードは少なく、カッティング工場やプレス年代、レーベル、そして最後には聴いた音から類推するより他ないのですが)聴く初期盤は、フォーカスが見事に収斂して、音楽が浮かび上がるように躍動して聴こえてきます。

初期盤コレクターの方々であればすでにご承知でしょうが、その昔、評論家が酷評したような初期盤などの中にも素晴らしい演奏が多々あります。これなどは、RIAAカーブの再生によって聴かれた、半ば間違った前提によって成された評論であったと考えるのは、少し好意的に過ぎるでしょうか。

例によって前置きが長くなってしまいましたが、このアンプは、各社のイコライザーカーブに対応した管球式の可変型イコライザーアンプです。イコライザー部の他にセレクターとボリュームを取り付けてあるため、パッシブ型の簡易プリアンプとしても使用可能です。

イコライザー部は、ロールオフ(高域減衰)には、音抜けの良いCR型フィルターを、ターンオーバー(低域増幅)には、力感の出るNF型フィルターを使った、CR-NF型フィルターを採用しています。使用真空管は初段、2段目に6072A/12AY7を使い、初段と2段目の間にCRフィルターを挟んでいます。2段目の後にNFフィルターが入り、3段目の6463で増幅後にライントランスが入り、セレクター、ボリュームを経由してプリアウトとなる構成です。

ロールオフとターンオーバーはそれぞれに独立しており、いずれもフラットのポジションが設けてあるため、LP、78回転SPを含めたほぼ全てのイコライザーカーブが再現可能です。また、ターンオーバーには別に低域上昇限度(ブースト量)の設定が可能なため、デッカカーブやコロンビアカーブのように低域上昇限度の設けてあるカーブも正確に再現することが可能です。

使用部品はMILスペックのものを中心に音質、信頼性の高いものを選んでおり、全て手配線によって作られています。電源部は、オーバースペックと思えるような大型のオイルコンデンサーと、リップルフィルターによって平滑してあり、電源起因のノイズはほぼ認識できなレベルとなっています。

このアンプは、以前当店でオーダーメイドにて販売していたもので、ご購入されたお客様のグレードアップに伴って里帰りしてきたものです。ワンオーナー品であり、各数値も問題はありませんでした。むしろエージングが進んで程よい状態になっているのではないかとも思います。

音については最小限の音作りで精緻、すなわちモニターサウンドに近い印象を受けますが、販売側の評価を書いたところで大した参考にはならないと思いますので割愛させていただきます。店頭での試聴が可能です。

Roll-off
1.59KHz(表記は1.5KHz)Columbia/ NAB/HMV
2.12KHz(表記は2.1KHz)RIAA
2.5KHz AES/RCA等
3.0KHz Decca/CCIR
12KHz SP(フィルター)

Turn-over
300Hz SP
400Hz AES/CCIR
500Hz RIAA/Columbia/NAB/Decca/HMV
630Hz RCA-EP
800Hz RCA

Turn-over boost
6dB SP
12dB Decca
14dB Columbia
16dB(表記なし) NAB
20dB RIAA/RCA/AES

サイズ W285 × H160 × D400mm
重量 約5kg
消費電力 約30W

SOLD

SP000086

Barco時代のEMTへ特注したモノラル太針、OFD45です。EMT純正の特注スタイラスがついており、ODF45のプレートもEMTが作成したものです。
45μmmスタイラスとなりますので、ちょうどモノラル針(25μmm)と78回転SP針(65μmm)の中間の太さとなります。
特殊目的のカートリッジで、25μ針では音が歪んだり底づきしてしまうもの、逆に65μ針では鈍った音となったり上滑りしてしまうような盤を再生するために作成を依頼したものです。

25μ針ではどうにもならない初期Melodiya盤が劇的な音の良さで再生できるのはもちろんですが、意外に適応範囲は広く、ビリ付きの出るDecca初期プレスの一部、アメリカColumbiaやVoxの初期プレスの一部なども見事に鳴らします。他にも、25μ針では歪みの大きい初期盤など、このカートリッジによって素晴らしい再生音が得られるものが多くあります。
また、いわゆる電蓄SP、DGのVariable Grade盤や戦後イギリスDecca盤なども、65μ針よりもこちらの45μ針の方がより鮮明に再生できます。フルトヴェングラーのVG盤SPなど目を瞠る再生音です。

OFD65をベースとして作られていると思われますので、インピーダンス25Ω、指定針圧は9gです。モノラル専用カートリッジですので針圧はソリなどがある場合は多少重くできますが、EMTは、構造がほとんど同一のOrtofonと異なり、カンチレバーが少し弱いのであまり重い針圧をかけ続けるのはおすすめできません(その分トレース性能には優れているのですが)
シェルはSPU-Aシェル用アームへ取り付けられるようにスクエアピン仕様に変更してあります(EMT仕様のダイヤピンへ戻すことも可能です)。シェルに若干アルミ粉吹きがあります。
使用時間はLP、SP合わせて50時間ほどで、スタイラスはほとんど摩耗していません。適応できる盤が多いとはいえ、大した数ではありません。一生針交換の必要は無いと思います。

太針については少し考察を書いておりますので、参考までにご覧いただければと思います。

SOLD

SP000039

Ortofon type ABのご紹介でも少し触れましたが、本品は、Ortofonの33回転LPと78回転SP兼用のカートリッジADと、そのAD専用アームのA-212のセットとなります。

SPからLPへの移行期、オーディオメーカーはLP、SPどちらも再生できるようなシステムの開発が必要とされ、様々な「兼用型」カートリッジが開発されました。原始的なものでは、小ねじでカンチレバーごと交換できるものや、カンチレバー差し替え型などがありましたが、もう少し便利なところで有名なものが、GEバリレラ針のターンオーバー型やTannoyのカートリッジごと裏返してしまう変形ターンオーバー型などです(考えてみれば随分乱暴な方法ですが)。GEの方式は、バリレラ型だからこそできたアイディアものだと思います。

さてそれではMCの雄Ortofonはどのようにしたか。これがなんとも驚きの方法でSP、LP兼用針を実現してしまいました。Ortofonは、カートリッジには何の手を加えることなく、カンチレバーの先をY形とし、その2又の先端にそれぞれSP針とLP針を取り付けたのです。そして、専用アームを開発し、カートリッジをそれぞれ左右に少し傾けることによって、SPとLPの切り替えが出来るようにしたのです。この方法の優れている点は、カートリッジ本体に手を加える必要がないため、MC型のカートリッジでも容易に導入可能なことと、その結果として音質が高品位のまま保てることでしょう(厳密に言えば、針先が少しオフセットされ、傾いたカートリッジの影響はあるのでしょうが、当時のLPの規格と振動系の実効質量を考えれば無視できるレベルであったと考えられます)

トーンアームはカートリッジを振るため、ガイドピン用に左右の溝が切られている専用設計ですが、通常のAタイプやCタイプも取り付けられるように縦の溝も切られています。とはいえ、トーンアームのデザインから、ABやCBのアイボリータイプを取り付けるのが、最もしっくりとくるように思います。

まるでオモチャのようなトーンアームですが、中にはゼンマイ式のバネが入っており、ダイナミックバランス型となっています。針圧は、LPとSP(N)の2種類の切り替えしかありませんが、中間で止めることも可能で、ADを着けた状態でおおむね5gから12gの間で調整できます。トーンアームによって音が驚くほど変わるのは周知の事ですが、こんなアーム(と言っては失礼ですが)からよくぞこんな音が出るものか、と驚いてしまいます。材質の吟味はもちろん、ゼンマイバネによる針圧の印加に秘密がありそうです。

カートリッジは針先の確認とダンパー交換済です。おなじみMelodiya盤のLPや久々に入荷したイグナチウスのシベリウスのSPなどで試聴しましたが、まさにオールドOrtofonそのものの音です。アームは、ところどころに余り目立たない細かな欠損や首振り部の補修などありますが、機能には影響ありません。専用アームレストも付いており、Thorens TD-124用ボードに取り付けてあります。アームケーブルは付属しませんが、別売で制作可能です。コネクターが必要な場合などについてもご相談下さい。

SOLD

SP000083

カナダNorthern Electric製のインプットトランス「586470」を使用したステレオMCトランスです。
Northern ElectricはWestern Electricのカナダ支社にあたり、「586470」には当然ながらWestern Electric仕様のものもありました。
おそらくNorthern Electric、Western Electricどちらの仕様も、同じ製造委託先での同仕様モデルであったと考えられます。
そのような意味においては、Northern Electricブランドであるがゆえにお買い得ではあると言えます。

「586470」は、「618C」などとともに、名アンプと言われた「124アンプ」のインプットトランスとして使用されたことからも、Western Electricを代表するインプットトランスの一つと言ってよいでしょう。
残念ながら詳細なデータは持ち合わせておりませんが、26dBほどの増幅率とされ、ステレオのMCトランスとしては使いやすい増幅率となっています。

店頭にて試聴可能です。

SOLD

SP000069

EMT Franz時代のTMD-25です。EMTの標準モノラルカートリッジとして、現在も生産の続けられているものです。Franz時代のものは、Barcoやそれ以降のものと比べ、より濃密な音がすると言われています。1980年代製造のものと思われます。針先は使用僅少。針先チェックとダンパー調整済です。ケース内のプラスチックモールドが黄ばんでいます。

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SP000087

いわゆる針先交換サービスとなりますが、交換の際に針先を45μmmスタイラスへ変更いたします。
写真はサンプルとなりますが、Ortofon Type-Aへ取り付けたものです。初期のオルトフォンは各針先径のカートリッジを用意しており、45μmmの識別カラーが黄色でしたので、マーキングに黄色を入れています。

スタイラス交換はモノラルカートリッジが基本ですが、SPUなど一部ステレオカートリッジへ取り付けることも可能です。これまで、Ortofon SPU、Type-A、Type-C、Pierre Clementなどへの取り付け実績があります。一部、交換ができないカートリッジもあります。ご了承下さい。
針先交換となるため、針先の摩耗や、針先が折れたり取れてしまったものでも交換可能です。ただし、カンチレバー等他の部分にダメージのある場合は、別途修理費用が必要となります。ダンパー交換などのメンテナンスも同時に対応可能です。詳細はお問い合わせ下さい。

OFD45のページにも45μ針について書いておりますのでご参照ください。

また、太針については少し考察を書いておりますので、参考までにご覧いただければと思います。

¥ 50,000

SP000085

オルトフォン等のアームベース固定用のネジ、ナット、ワッシャーのセット3本組です。

アームベースの固定ネジは、どうあってもマイナスネジ、しかも丸皿ネジ(皿ネジのネジ頭がふくらんでいるもの)、さらに言えば真鍮にニッケルメッキでないといけないという固定観念から抜けられずにいます。オルトフォンの旧部品がそうであったということも影響しているのだと思います。
通常の平らな頭の皿ネジや、ましてやプラスネジなど美的にまったく受け付けないのです。美的に受け付けないということは、音にも(精神的?)影響がなかろうはずありません。

ところが令和となった現在、丸皿プラスネジや通常のマイナス皿ネジなどを見かけることはあっても、マイナスの丸皿ネジを見つけることは極めて困難です。少し径の大きなものですと外国車のリペア用などに作られていたりもするのですが、それも扱いに気を使わないで済むステンレス製が主流となってしまっています。
中古の部品を探してみても帯に短し襷に長しということで、ついに特注部品として作るに至った次第です。

サイズはM3×25mm。基本的にトーレンスTD-124のアームボードにオルトフォンのアームベースを取り付けることを想定していますが、少し長さに余裕を持たせましたので、オルトフォンの旧タイプアームやデッカアームにも問題なく使用可能です。また、アームを取り付ける部分の板厚が10mmほどでしたら大抵のアームベースに使用可能かと思います。多くのプレーヤーキャビネットはアーム取り付け部裏面に座ぐり加工がされていますので、使える場合も多いのではないでしょうか。

ナット、ワッシャーもネジ同様真鍮にニッケルメッキです。ここをステンレスやユニクロメッキでお茶を濁してしまうようでは画竜点睛を欠くというものでしょう。

M3×25mm 丸皿ネジ/M3ナット/M3ワッシャー(3本組)
真鍮製・ニッケルメッキ
¥ 1,100
在庫 11

SP000084

JS(Jørgen Schou)製のオルトフォンSPU指定トランス「No. 41」の再生産品です。「41」は、倍率などの使いやすさなどからSPUに最も適合したトランスとも言われています。

いわゆる赤ドットこそありませんが、旧型キャップケースに程よく傷んでいる外装からもしや、と思いましたが、引出し線の作法が再生産品のものでした。「41」の再生産品仕様というのは恥ずかしながら初めて見ました。タッチアップなどもされているため、ひょっとするとケースを入れ替えたのかとも思いましたが、そこまでするのなら赤ドットも入れておくでしょうから、やはり(おそらくはオーディオ向け)再生産がされていたのでしょう。

入力インピーダンス:1.5Ω
出力インピーダンス:20kΩ
昇圧比:41dB(約115倍)
SOLD