Barco EMT時代のTND-65です。非常に珍しいTSDベースの78回転SP盤用カートリッジとなります。EMTのモノラルおよび78回転SP用カートリッジは、Ortofonベースのモノラル専用カートリッジであるOFDシリーズとは別に、自社開発のステレオカートリッジTSDをベースとした、TMD/TMDがありました。TMD/TNDの開発された背景として、放送用機器としてTSDと音質の統一を図りたかったことや、カートリッジ重量や針圧の統一によってクイック・チェンジが可能となったこと、ハイコンプライアンスのカートリッジによってより音溝の情報を取り出したいという欲求などがあったと考えられます。モノラルLPや78回転SPをTSDの現代的モニターサウンドで再生することができます。1990年頃製造のものと思われます。針先は使用僅少。針先チェックとダンパー調整済です。ケース内のプラスチックモールドが黄ばんでいます。
「カートリッジ」一覧
EMT Studiotechnik ドイツ時代後期のOFD-65未開封品。78回転SP盤用のカートリッジとなります。EMTのOFDシリーズは、元々EMTがOrtofonへ設計製造依頼したもので、その後自社で製造するようになってから現在に至るまで、初期設計の頃と同じ構造を保っています(おそらくコイルの巻線まで同じ仕様と思われます)
Ortofon A-65Dです。78回転SP盤用のカートリッジとなります。60年代に入ってからのものだと思います。内部に「DIAM.65」の表記があります。緑色のバッジ(65μmm針であることを表しています)
Ortofon SPU-A 1960年代初期のものです。Elliptical表記のない丸針です。SPUのシリアルナンバーは、未だにはっきりとした読み方が分かりませんが、おそらく1960年代前半製と思われます。観察した限りにおいてはオリジナルの仕様を良く保っています。Aシェルに限ったことではありませんが、SPUはカートリッジ本体が入れ替わったもの、シェルが交換されたものなども多く、シリアル番号だけでは分からない部分が多々あります。悪意を持って交換されたものは論外ですが、当時のOrtofon(日本の場合は代理店)