Discopaedia of the Russia Pianism一覧

『Discopaedia of the Russia Pianism』

振り返ってみますとよくよく長いこと「ロシアピアニズム」にのめり込んできたわけですが(そしてこれから先ものめり込み続けることになるのだろうと思いますが)、この辺りで資料を再度まとめておくのも悪くないのではないかと思い立ち、この度『Discopaedia of the Russia Pianism』として出版する運びとなりました。

出版といいましてもAmazonのオンデマンド出版となりますので、ご不便かとは思いますが購入できるのはAmazonのみとなります(店頭に若干数置いております)。

内容は、youngtreepress版『ロシアピアニズム』巻末のディスコグラフィを再編集、大幅増強したものと考えていただいてよいと思います。国外への展開に色気を出して、解説文等は全て英文として、巻末にロシア語、日本語カナを含めた人名索引を付ける形としました。この索引は、分かる範囲ではありますが、生没年、国籍、父称(ロシア語のみ)などを含んだ詳細なものとなっております(とあえてここで書くのは、これに随分と苦労したことへのいかばかりかの反動です)。

情報化社会の破滅的な発展を考えますと、このような書籍が役に立つのもあと少しばかりではないかと思いますが、何某かお役に立てていただければ幸いです。 ご購入は、こちらのページより可能です。


『Discopaedia of the Russia Pianism』ローマ字表記、日本語読みについて

『Discopaedia of the Russia Pianism』におけるロシア名のローマ字表記については書籍内にも書きましたが、スペースの関係で例を載せることができなかったため、ここに代表例をいくつか挙げます。

慣例とは違った綴り例としては、「Alexander → Aleksandr」「Neuhaus → Neigauz」「Afanassiev → Afanasiev」「Schnittke → Shnitke」などがあります。

反対に、当書のローマ字規則からは外れるものの、慣例に従った例としては、「Tchaikovsky ← Chaikovsky」「Rachmaninov ← Rakhmaninov」「Scriabin ← Skriabin」「Mussorgsky ← Musorgsky」「Richter ← Rikhter」などがあります。

 

また、カナの読みについても実際の発音に近づけようという目論見のもと、今までの慣例とは若干異なる表記となっています。ローマ字同様の変換規則に則った表記を基本としていますが、変換テーブル表をまだ作っていませんので下記に概要を示します。

主だったものとしては「di: ディ → ジ」「ti: ティ → チ」が挙げられます。例としては、「ウラディーミル → ウラジーミル」「ユーディナ → ユージナ」「ティモフェイエワ → チモフェーエワ」などのようになります。

また、ロシア文字の「я/ya」は「ヤ」としましたので「Tatyana → タチヤナ」「Mariya → マリヤ」としています。アルメニアの典型的な名前「Khachaturyan」「Nersesyan」などは、ロシア語とはまた違う発音であろうとは思いますが(そもそも原語はロシア文字ではないわけですが)「ハチャトゥリヤン」「ネルセシヤン」等としました。

発音に関しては難しい部分もあり、「Va」を「ヴァ」と読むか「ワ」と読むかはロシア人によってもまちまちなため判断に迷うところです。本書では濁らない「ワ」を基本とし、かなり気まぐれ、かつ恣意的に「ヴァ」を用いました(例えば、ウォスクレセンスキーやゴロヴァノヴでは今一つ様になりませんので)。

また、ロシア語における「e」(および「ë」)の発音もカナへ変換するには難物です。実際の発音を聞いてみますと「フェドセーィエフ」「ニカラーィエワ」「ワリィエーリー」に近いような発音に聞こえるのですが、これをそのままカナとすると冗長となってしまうため、煩雑さを避ける意味もあり慣例通り「フェドセーエフ」「ニコラーエワ」「ワレリー」等としました。心の中で「ィ」とアクセントを足していただければと思います。

もう一つ、アクセント無しの「о」も難しい問題です。この文字はロシアでは「ア」と発音するため、本来であれば先程も挙げたような「ニカラーエワ(ニコラーエワ)」や「ガラワーノフ(ゴロワノフ)」「サフラニツキー(ソフロニツキー)」となりますし、「オレグ」というファーストネームも、ロシア人は明らかに「アレグ」と発音しています。しかし、これを原語に近づけてしまい、結果として書籍としての使い勝手が悪くなってしまっても仕様がありませんので、慣例に倣って「オ」としました。

バルト三国や中央アジア諸国ともなると、ロシア語とは全く違った発音となるのは想像に難くありません。これらの発音については、ロシア語綴りを基本としましたが、当たらずとも遠からずという程度になっているのではないかと危惧しています。

 

いずれにしましても、この手の問題においてある程度の誤謬は避けられないところです。「外国語を完璧にカナ表記することは不可能である」ことを念頭におおらかな心でもってご容赦いただければ幸いです。