SP000043
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Ortofon Type ABカートリッジ、黒色となります。

C-25Dの項でも書いた通りオルトフォンの初期カートリッジにはさまざまなバリエーションがあります。それらの中でも初期の製品に属し、「ツノ付き」と呼ばれるカートリッジが、Type ABとCB、さらに変種のADです。

この「ツノ付き」タイプは、ほぼ全てにおいてカートリッジ下面のメタルカバーにFONOFILM表記があることから、1950年台初期までのORTOFONブランドが使われる前の製品であると推測されますが、ORTOFONブランド確立後も放送局用にFONOFILMのブランドで納入されていた可能性はあります。というのも、短期間で作ったとは思えないほど多くのバリエーションが存在するからです。

バリエーションのもっとも分かりやすい違いは本体の色で、オルトフォンならではの黒色の他にアイボリーのものがあります。また、AB、CBの呼称通り、カンチレバーにもAタイプとCタイプがあり、それらの中にまた78rpmタイプと33/45rpmタイプがあります。さらに、カートリッジ正面に刻印で大きくAB、CBと表記されているもの、78rpmあるいは33/45rpmと刻印されているもの、その両方が刻印されているもの、さらには針が上から見られるようにその部分が斜めに大きく削られているもの(Cタイプなどによく見られます)などがあります。加えて、トーンアーム接続部の樹脂の丸棒の色も黒の他、赤や青、茶色のものなどがあります(当初は針先径に合わせて色を変えていたようです)。また、放送局用に出荷されているとすれば、インピーダンス違いなども存在する可能性があり、一口に「ツノ付き」といっても分類するのに困るほど多種多様のタイプが存在しているのです。おそらく、Ortofon本社でもこれら詳細についての資料は残っていないのではないでしょうか。

これらの違いとは別に、このABやCBというのは実はType Bであるという説があります。Type Bにカンチレバー形状の表記であるAやCを付けたのではないかということですが、Type Bはまた別に存在しており、AB/CBとはまた別のブロードキャストタイプとなります。

事のついでにType ADについても書いておきます。ADは、カンチレバーの先が小さくY字に分岐しており、Y字の先端にそれぞれLP用と78rpm用の針が傾けて取り付けてあり、カートリッジを左右に傾けることによってLPとSPを切り替えることが出来るという一風変わったカートリッジです。ADをオルトフォン初のトーンアームA-212へ付けた姿はなかなかの風情です。

前置きが長くなりました。当モデルはType ABの黒色モデルで、正面には78rpmと白抜き刻印がされていますが、針先はLP用の25ミクロン針に交換されています。音は非常に力強く、後期のC-25Aなどと比べると音量がまるで違って聞こえるほどです(実際インピーダンスの関係で音量が大きくなっている可能性もありますが)。野太い音が前に出てくる分、当然ながらレンジはそれほど広くは感じられませんが、決して音が伸びていないというわけではなく、むしろ高域のきらびやかさなど絶妙の音作りというべきです。初期Ortofonの音が存分に楽しめるのではないでしょうか。

カートリッジは針および、ダンパー交換を含め、フルメンテナンス済で、その後は試聴しか行っておりません。初期の2ピン出力の端子となりますので、例によって専用端子で4ピンアームへ取付けられるようになっております。オルトフォンの2ピン対応の古いアームやEMTタイプ のアームを使われる場合は、端子を取り外して納品されていただきます。付属品は針カバーのみとなります。

¥350,000