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聖トマス教会(ライプツィヒ) [News写真2005年1月]

ドレスデンから電車で1時間ほどのところに、ゲーテが学び、バッハの活躍した町、ライプツィヒがあります。ライプツィヒに向かうべく夕方にドレスデン駅に着いたまさにその時、ライプツィヒ方面行き電車が出発するところで、チケットを買う間もなく飛び乗りました。

ライプツィヒは、見本市が行われるなど旧東ドイツの都市の中では比較的大きな町なのですが、旧市街は意外に小ぢんまりしており、有名なゲヴァントハウスは旧市街の少し外側にあります(外側にあって良かったというデザインですが…)。

その旧市街の入り組んだ道の中ほどに、かつてバッハもカントールをつとめたという聖トマス教会があります。教会の前の小さな広場には、バッハの銅像があり、いやが上にもバッハとクラシック音楽の歴史を感じさせます。

ルター派の教会らしく外観は質素な造りですが、内部の白い天井には装飾とともに網目のように赤いアーチが入り組み、荘厳というよりは意外なほど明るい雰囲気を漂わせています。この時は、(ギュンター・ラミンのジャケット写真に写っている)合唱団の並ぶ2階のオルガン付近が工事中で幕に覆われていたのが、トマス教会合唱団の愛好家としては少し残念でした。

曇り空だったこともあって教会の内部はほの暗かったのですが、写真に写っている内陣付近は、ステンドグラス越しに差し込むやわらかな光と照明に美しく照らしだされていました。

一通り教会を見て回ったあとは、バッハもシューマンもゲーテも通ったというヨーロッパ最古のカフェ、「カフェ・バウム」で一服するのが正しい観光客といえましょう。


シュターツカペレ・ドレスデン [News写真2004年12月]

日本ではドレスデン国立歌劇場と呼ばれるシュターツカペレ・ドレスデンは、ヨーロッパでも最も古い歴史を誇る管弦楽団の一つで、その壮麗な歌劇場はゼンパー・オパーとも呼ばれます。

2003年春、ベルリンから列車に乗り、初めてドレスデンを訪れました。貧乏旅行のため2等自由席へ乗ったのですが、この時向かいに座っていたドイツ人とおぼしき3人が実に個性的だったので今でも記憶に残っています。一人は強面で屈強な軍人のようなスキンヘッドのおじさん。一人は撫でつけた髪がきれいにM字に剃りこまれているように見えるやさ男。もう一人はやや着古したGジャンを着て頭髪が少し後退し、背が高く痩せたお兄さんで、「特攻野郎Aチーム」のモンキーを思わせる雰囲気です。このお兄さんがどさっと置いた大きなザックには、なぜか着ぐるみのライオンらしき頭がぶら下がっているのですが、誰もそれには気をとめず、ヨーロッパ人らしくしかつめらしい表情をしています。

別々に乗り合わせたこの3人は時々会話を交わしていたのですが、私たちは、もともと旧東ドイツ圏であることもあって、英語が通じるかどうか自信が無かったので(もちろん英語でも自信は無いのですが)、ライオンの頭やら、スキンヘッドおじさんの職業やら興味津々だったにもかかわらず話しかけることができませんでした。今にして思えば残念なことをしたものです。

ドレスデンに着いた時、新駅か旧駅か分からず外をきょろきょろ眺めていたら、スキンヘッドおじさんがドイツ語で多分「旧駅は一つ先だよ」というような事を教えてくれたのが、唯一交わした会話でした。

ドレスデンは旧市街しか歩いたことがありませんが、第2次世界大戦で壊滅的な打撃を受けたにも関わらず大変に美しい街で、その最たるものが、写真のシュターツカペレ・ドレスデンとツヴィンガー宮殿でしょう。この時、灰燼と化した聖母教会は、欠片を一つ一つ組み合わせながらの再建途上で、バッハのカンタータ演奏で有名な聖十字架教会は内部が煤けて黒くなっていたのが印象的でした。

しかし、まだ少し冷えこむ夜のエルベ川沿いを歩いてたどり着いた、闇夜に光り輝くゼンパー・オパーはひときわ印象に残ったのでした。


ロシアのイコン

少し前、友人がライカのデジカメ M8 を持ってやってきたので、手持ちの Tele-Elmarit 90mm を付けてテスト撮影してみました。これがライカの写真なのかどうかは微妙なところですが、そもそもデジタルと銀塩写真を同じように比較するのがナンセンスなのかもしれません。

写したイコンは、数年前にロシアのイズマイロフスキー公園のマーケットで買い、持ち帰ったものです。ロシアではある程度古いイコン(美術品)の持ち出しには規制があるのですが、これが空港の税関で見つかってしまうと、新しい古いを問わず没収されてしまうらしく、税関をおそるおそる通過した覚えがあります。

この「受胎告知」は、面白いことに人物の描き方などがアンドレイ・ルブリョフの「三位一体」とほとんど同じスタイルで描かれています。ルブリョフの偉大さは現代に至るまで影響を与え続けているのかもしれません。